
あなたにもわかる相対性理論
アインシュタインの相対性理論は、
ニュートン以来の、運動法則を越えるものとして
革命的なものだった。有名な式として
E=mCxC は質量とエネルギーは同じものという画期的な事実を
明らかにした。導きだした理論をシンプルな式にまとめるところが
アインシュタインのすごさだと著者はいう。
本書の中では、アインシュタインが作った成功の方程式も紹介している。
A(成功)=X(仕事)+Y(遊び)+Z(口を開かないこと)という
最後の沈黙の項は、アインシュタインの生き方を示していると著者は
いっている。孤独の中で仕事をしてきたことと関係があるという。
成功するために、仕事と遊び(余裕)は必要だとおもうが
口を開かないとは何をさすか、相対性理論より難しい。
あなたにもわかる相対性理論
茂木健一郎 著
PHP研究所 刊
2009/10/2 第1版第1刷
239ページ
¥800E
第一部
アインシュタインから読み解く相対性理論
第1章
相対性理論が生まれた背景
「アインシュタインカ」が相対性理論を生み出した
●「ロックンロール」としての科学
「アインシュタインカ」とは何か 022
最初の革命家ガリレオとニュートン 025
古典物理学の光と影 029
科学は本来はアナーキー 052
エーテルという妖怪 034
常識を踏まえて「常識」を踏みにじる 037
●反発力-----第1アインシュタインカ
孤独には理由がある 039
ドロップアウトの必要条件 041
距離を置くことで近づけるもの 043
●勇気が天才をつくる
進歩はあったが革命はなかった 045
マッハだけが疑った 047
驚くべき結論 048
●見えないものを見るカ-----弟2アインシュタインカ
頭の中でも「実験」はできる 051
想像力は世界を変革する 055
何もしていない時に脳は何かをする 057
第2章
相対性理論は何の扉を開けたのか
世界を変えた原理としての相対性理論
●「奇跡の年」がやってきた
科学のロマンを取り戻せ 062
ノーベル其の権威では測れない 063
●粘り強く考えるカ-----第3アインシュタインカ
「僕は木を割らない」 068
大きな変化はゆっくり満ちる 070
いい答えはいい問題発見から 073
●問いかけは根源的であるほど面白い
特殊相対性理論の画期性 075
「当たり前のこと」を突き詰めると? 077
「相対性理論の発見」を発見した人たち 079
●平等カ-----第4アインシュタインカ
大切なのは誰が言ったかより何を言ったか 083
アインシュタインの「プレない目線」 085
●「小島の発見」から「全大陸の発見」へ
世界はどうできているのか 088
特殊相対性理論からl般相対性理論へ 090
理論は証明された 093
科学は私たちを揺るがせる 097
●ユーモアカ-----第5アインシュタインカ
笑いと革命は相性がいい 099
大切なのは自分占日身をも笑うこと 101
●「運命の贈り物」を受け取る
反逆者の勝利 103
ノーベル賞の対象ではなかった相対性理論 105
量子力学と「場の統一理論」107
ビッグバンそして原子力 109
●浮世離れ力-----第6アインシュタイン力
真の自由はどこに? 113
世間からの独立宣言 115
●方程式力-----第7アインシュタイン力
「キラーパス」としての方程式 117
世界を一行の式で書こう 119
第3章
アインシュタインのロマンと相対性理論
天才のように生きれば天才になれるか
●アインシュタインと「クオリア」
なぜ私は科学者になったのか 122
天才のつくられ方 125
●借じる力-----第8アインシュタイン力
「確信が私の神です」 128
神の名前は問題ではない 130
●科学の種を自由の土に植えよ
好奇心は自由なしには枯死する 133
調和には大きな価値がある 135
●自立力-----第9アインシュタイン力
自分の言葉だけで書かれた論文 139
「巨人の肩に乗る」か「一人で荒野を行く」か 140
内なる声に耳をすませよ 142
●アインシュタインとアメリカ
科学と戦争 144
「平和は本能です」 145
●友人力-----第10アインシュタインカ
「それは本当に救いの神でした」 149
愉快なアカデミー 150
大学もいいが「私塾」はなおいい 152
●成功にも方程式が当てはまる
アインシュタインの最後の声明 154
沈黙は成功の一部をなす 157
第二部
時間・空間から読み解く相対性理論
第4章
相対性理論が導くワンダーランド
「常識」の目を閉じた時、新たな世界が開かれる
●「相対的」と「絶対的」の分岐点
疑いない前提を疑う 162
動いているのは電車かプラットホームか 165
日常世界と光速世界 167
●私の七時とあなたの七時は異なる
「列車は七時に着く」の本当の意味 170
系が異なると時間も異なってくる 172
ゆっくり時間とせかせか時間 175
「浦島太郎」は存在し得る? 179
もしアインシュタインがいなければ? 180
●四次元への扉が開かれる
長さとは何か 182
誰も疑わないことを疑う186
●エネルギーの驚くべき正体
エネルギーは質量と同じだった 188
特殊相対性理論の二つの欠落 191
曲がる空間って 193
第5章
認識論としての相対性理論
「相対性理論的に考える」と発想が必ず広くなる
●なぜ相対性理論は「宇宙から音楽まで」を変えたのか
哲学になった物理学 200
神が見る世界と人が認識する世界 202
マッハが見た光景 204
シュレーディンガ一の猫 207
●心を相対性原理で解いてみる
「月は君が見ていない時はそこにないのか」 211
相対性理論とキュビズム 214
時間旅行の可能性 216
意織の時間はどうできるか 218
心の中で「時間が潰れる」 219
脳の第一原理を求めて 222
●アインシュタインの物語は続く-----あとがき 225
特別付録
第2論文を読む
最も有名な公式「E=mC2」を完全理解するために
●物体の慣性はエネルギー保有量に依存するだろうか 238
参考文献 241